あべこべ ある朝ぼくが起きたら みんなの声があべこべになっていた お母さんはお父さんの声で お父さんはお母さんの声だ はやくごはん食べちゃいなさいと お父さんの声が飛ぶ また政治家の賄賂だと新聞紙の向こうから お母さんの声がつぶやく ぼくは頭の中がゴチャゴチャになった 変わらないのは 犬小屋から顔をだしてるシロだけだ シロ、と呼ぼうとしてぼくは思わず ワンッと吠えてしまった シロはおどろいて叫んだ ニャァ ぼくの声はどこいった? 記憶にございません テレビの中からぼくの声がした