ある晴れた日
うららかな草原を
ゾウがあるいていた
重いあしおとが地面にひびいた
ゾウはタンポポのむれに止まった
ながい鼻をゆらすと
巨大なあしをふりあげた
ひなたぼっこをしていたネズミが
それを見ていた
タンポポが踏みあらされる
そう気づいたネズミは
勇気をだしてさけんだ
ゾウはかまわずあしをおとした
土けむりがあがった
タンポポは無残につぶれた
ネズミは怒りにふるえた
そばにあった石をにぎりしめ
力いっぱいゾウになげつけた
石はゾウのかたいあしにあたり
豆つぶのようにはじかれた
石はアリのうえに落ちた
アリはしんだ
ゾウがよけたアリだった
ネズミはまっすぐにゾウをにらんでいる
ゾウはふたたびながい鼻をゆらすと
地面をひびかせて去っていった
ネズミはゾウの横暴をうったえるため
町へおりていった
その目は正義の火にもえていた
あとにはアリのなきがらが
しずかによこたわっていた
うららかな陽射しが
とむらいのようにそそいでいた